別冊57号「民家の再生と創造① -古材・古民家の美-」

別冊57号「民家の再生と創造① -古材・古民家の美-」

 

発刊に寄せて

「民家の再生」という言葉は、建築ジャーナリストの平良敬一さんと、立松久昌さん(故人)の造語である。長野県在住の建築家・降幡廣信の仕事を評して生み出され、1992年に『民家の再生』| 降幡廣信の仕事| が刊行された。来日観光客の増加で、京都・金沢をはじめ全国の「伝統的建造物群保存地区」は大盛況である。

一方で、民家の再生のための「大工・左官・建具」の技術継承は困難な状況にある。戦後の住宅建築は、プレファブリケーションと産業化により「地域ごとの伝統的建築」から、「商品」へと大きく変わってきた。工務店も社員大工・常用大工を抱えていても、その技術を発揮し継承するための「受注」が長期的に減少し、構造材の機械プレカットと構造用合板により、大工の仕事が組立工化している。

和室・床の間・玄関上がり框・障子・簾戸・欄間、瓦屋根・格子戸・土壁・犬矢来……世界の人びとに「感動」を与える力を持つ「建築文化」。それを生み出す「職人力」の継承のための「大工・左官・建具」職人の高齢化問題が指摘されて久しい。

建築家の故・吉田桂二さんは大工後継者問題について、大工が「人に見せられて、家族に自慢ができ、人より稼げる」ように戻せば、ほっといてもみんななる。それは「工務店の社長の、腹のくくり方次第だ」。加えるなら「建築家とメディア」の協力だと、よく話していた。

平良敬一さんも、建築家は「大工・左官・建具」職人の仕事を組み込み「機能主義を超えた」住宅建築を、めざさなくてはならない。それは、グローバルとローカルの「相克」の中で「創造」されると、語る。

そのための「場」として『チルチンびと「古民家」の会』を立ち上げた。この小雑誌が、いくばくかの役に立てれば望外の幸甚である(あの世に逝った後の、先達への言い訳のためもあるのだが)。

『チルチンびと』 編集長 山下武秀

 

現代の感性が宿る 京町家暮らし 再生設計=安田勝美 写真=酒谷 薫

民家の再生と創造
 
民家の再生と創造 ― 古材・古民家の美 民家再生の意義 文・写真(特記なきもの)=木下龍一
古民家に宿った大正モダニズムと現代生活の融合 再生設計=木下龍一 写真=酒谷 薫

チルチンびと「古民家」の会 会員工務店事例
 
古民家再生の実績を生かし新潟の料亭を移築再生 愛知県 勇建工業 写真=畑 耕
築130年の古民家をモダンに住み継ぐ 愛知県 勇建工業 再生設計=岡本一真 写真=酒谷 薫
家とともに受け継がれる先人の粋 愛知県 小林住建 写真=畑 耕
家族の絆を深める大正期の主屋再生 福岡県 建築工房 悠山想
伝統工法を次世代に継ぐモデルハウス兼ギャラリー 奈良県 倭人の家建築 設計=安田勝美 写真=酒谷 薫
築100年の住まいを再生し老後を豊かに過ごせる家に 愛知県 エコ建築考房 写真=垂見孔士
伝統工法を知り尽くした棟梁が挑む大正期古民家の補強再生 神奈川県 加賀妻工務店 写真=畑 耕
町家を再生したホテルで宿場町を丸ごと体感 滋賀県 木の家専門店 谷口工務店 設計=竹原義二(無有建築工房) 写真=畑 拓

町並み保存と民家再生 文=永見進夫 写真=西川公朗
自然素材と職人技が紡ぐモダン民家 愛媛県 西渕工務店 写真=川辺明伸
大江文学の原風景 大江健三郎の生家を訪ねる-兄・大江昭太郎邸- 設計=永見進夫 写真=輿水 進
運命に導かれ思い出の洋館を修復 改修指揮=塩見和彦 写真=西川公朗
日本列島集落の旅 平家落人伝説の集落 写真=畑 亮・畑 耕・畑 拓
「古民家」の会ニュース 古民家水平耐力用【相欠け1号】予備試験

 

■保存版「古民家再生ハンドブック」
■古民家再生における構造補強のチェックポイント
文=山辺豊彦(山辺構造設計事務所)イラスト=鈴木 聡(TRON/OFFice)
■古色塗料・メンテナンス製品
■スクランブル
■チルチンびと「古民家」の会 会員リスト
■チルチンびと「古民家」の会 会員募集・設立記念セミナー開催

 

96号 復活する「梁」

96号 復活する「梁」

  

現代の感性が宿る京町家暮らし
改修設計=安田勝美

■特集 復活する「梁」

共働き夫婦が帰りたくなる場所
設計=泉 幸甫

曲がり梁の下で末長く生きる
設計=丹呉明恭

太鼓梁と薪ストーブを見ながら暮らす
設計=伊藤誠康(基本設計)+ノモトホームズ㈱野本建設

古民家に宿った大正モダニズムと現代生活の融合
設計=木下龍一

建築家・泉幸甫の梁の美学
梁のかたち図鑑
生まれ変わる古材 文=島村義典

無垢材のやさしさに包まれるあたたかな平屋
設計・施工=㈱山田工務店

木と土が叶える自然に還る家
設計・施工=木と土と風の家 家工房㈱風

古材と技に磨かれた情趣あふれる空間
設計・施工=古民家蘇生工房

■特集 ガラス越しの夏

草花ガラス 藤木志保
keino glass
晴耕ガラス工房 荒川尚也
ガラス建具をオーダーする窓辺に夢を

■特集 東海特集


八丁味噌と木の家

八丁味噌のふるさとを訪ねて
文・レシピ=minokamo(長尾明子)

地域に根ざす木の家

コミュニティの核となる自然素材のカフェ
cafe&lunchぽけっと 設計・施工=㈲亀津建築

ほっとくつろげる小さな美容室
Hair Hiro 設計・施工=㈲小林住建

地元の工務店がつくる、心地よい木の家 5題

伝統ある街並みに映える住まい
岐阜県 矢橋林業㈱

コンパクトでも広がりを感じる家
愛知県 ㈱エコ建築考房

手作りの作品が彩るこだわりの住まい
岐阜県 ㈲亀津建築

子どもたちの成長を見守るのびやかな住まい
愛知県 ㈲小林住建

築130年の古民家をモダンに住み継ぐ
愛知県 ㈲勇建工業

左官とタイル
文・写真=小林澄夫

■チルチンびと「地域主義工務店」の会

㈱堀井工務店/㈱大丸建設
NEWS@地域主義工務店の会
「地域主義工務店」の会実績データ
チルチンびとマーケット 徳島、福岡
URA 地域主義建築家宣言

 

– 連載 –
 
すごろく気分 村松友視
古物語り 塩見奈々江
日々、まめまめしく。第2章 塩山奈々江
小笠原からの手紙 大林隆司
日本列島集落の旅 畑 亮、畑 耕、畑 拓
塗り壁の四季 小林澄夫

90号「灯をともし、薪を焚く暮らし」

90号「灯をともし、薪を焚く暮らし」

 

 

■特集 灯をともし、薪を焚く暮らし

蜜蜂のおすそわけ 文・塩見奈々江
暖かな贈りもの オオヤマ・エリナ・マルケッタ
柳田國男『火の昔』を読み解く 文・近藤夏織子
蝋燭 その素材と歴史
揺らげど消えぬ燐寸の火 談・村松友視ほか
灯油ランプ 江戸川屋ランプ
懐かしくも新しい灯り 照明カタログ
冬の薪ストーブ料理 四季工房物語
雑木林に抱かれて 設計=横内敏人
南アルプスから 設計=松本直子
晴耕雨読 設計=岩瀬卓也
薪ストーブびと 日鉄工営
最新薪ストーブカタログ 2016-2017
薪ストーブショップリスト

 

■広告企画 工務店がつくる薪ストーブのある家

愛知県・エコ建築考房
群馬県・オオガネホーム
福岡県・古民家蘇生工房
三重県・ウメダハウジング
東京都・TALOインターナショナル

 

■建築家 大野正博の遊び心のある木の家

 

■チルチンびと「地域主義工務店」の会
 
愛知県・小林住建/群馬県・松浪建設
NEWS@地域主義工務店の会
第5回 2016年度 チルチンびと住宅建築賞 受賞者発表

 

– 連載 –
京都大原の山里に暮らし始めて 梶山 正
手仕事の光
日々、まめまめしく。第2章 塩山奈央
日本列島集落の旅 畑 亮、畑 耕、畑 拓
住むこと、生きること 最終回 益子義弘
子育て随想録 最終回 石村秀登
小笠原からの手紙 安井隆弥
絵で見てわかる家づくり 田中敏溥+木下治仁(建築家)、浜宇津正(構造家)
塗り壁の四季 小林澄夫
未来へ伝え継ぐ大地の知恵  近藤夏織子
料理旅から、ただいま minokamo(長尾明子)
スクランブル&チルチンびとマーケット in 新潟、福井、愛知、香川
もう一つの最前線 伊藤誠康、水澤 悟、中島祐三
平良敬一読書日記